みつめる

観たもの、考えたこと、あれこれ

モノリンガルの世界

バイリンガルとかマルチリンガルとか、そういうのがもてはやされる世の中。グローバル人材とかって言って。実際は英語の発音にこだわりまくるだけで、日本のなかの多様性には見向きもしないみたいな印象があるけれど、どうなんだろう。

自分のものだと思える言語が三つある。出来るけど自分のものってわけじゃない言語も入れると、わたしが日常的に触れる言語は四つある。と言うと、たいていの人は「すごいね」と言う。「すごいね」と言われて悪い気はしないが、わたしには普通のことなので、正直なにが「すごい」のかが分からない。

そしてふと思った。そういえばわたしはひとつの言語だけで生きるという経験をもう覚えていない。わたしのなかに、あるいは周囲に、ひとつの言語しか存在していない時期はあった。だけれど、わたしの人生の大半には二つ以上の言語が存在してきた。学習とかそういう意味ではなく、日常的に聴いたり話したり、ときには書いたり読んだりする言語が複数存在していることが当たり前の生活を送ってきた。

ひとつの言語だけで生活するのはどんな感覚なんだろう。もう想像がつかない。

なんとなくそんなことを考えた。